任意売却は、住宅ローンを滞納していなくても利用することができます。任意売却は金融機関の「同意」があれば利用できますので、住宅ローンを滞納しているしていないに関わらず交渉を進めることが可能です。
そのため、住宅ローンを滞納してないと利用できないと考えて、わざと滞納する必要はありません。住宅ローンの支払いが難しくなりそうな段階になったら、できるだけ早く金融機関および不動産の専門家に相談しましょう。相談が早ければ早いほど、時間的余裕と幅広い選択肢から今後の対応を選ぶことができます。この記事では、住宅ローンを滞納する前に任意売却を検討するメリットを解説します。
住宅ローンの滞納がなくても任意売却は利用できる
住宅ローンの滞納がない状態でも、任意売却は可能です。重要なことは、「金融機関との交渉で抵当権を抹消する同意が得られること」、「不動産の売却価格とローン残債の差」、そして「今後の返済の見通し」です。
- 金融機関との交渉で抵当権を抹消する同意が得られること
- 不動産の売却価格とローン残債の差
- 今後の返済の見通し
住宅ローンを遅滞なく返済している場合は、金融機関との信頼関係が形成されています。この信頼関係のもと、任意売却の相談を行うことでスムーズに話が進むこともあるでしょう。しかし金融機関としては、このままローン完済まで返済を続けてほしいと思っていますので、ローンの返済が続けられる見込みがあれば任意売却に同意してくれません。
たとえば、病気や怪我で働けなくなってしまった場合や、リストラや失業・転職などで収入が下がってしまって今まで通りの返済ができなくなりそうな場合には、金融機関にそのことを説明します。今現在は支払いができているけれど、数か月後には滞納してしまう見込みであることを説明するのです。
また、任意売却を利用するということは、ローンの残債が残ることもあります。その残った残債を返済していくことができることを、今後の働き方や家族の協力と合わせて説明すると、金融機関からの同意を得やすくなります。
ローンを滞納する前に任意売却をするメリット
任意売却にはタイムリミットがあり、ローンを滞納し始めた段階からカウントが始まります。競売の落札者が決まってしまうと任意売却はできなくなりますが、滞納を開始してからおおよそ6か月〜10か月くらいの期間しかありません。ローンを滞納する前に対策を考えることで、選べる選択肢が多くなります。具体的なメリットをみてみましょう。
1. 金融機関に相談する時間がある
住宅ローンを滞納する前に金融機関に相談をすることで、金融機関と十分な対話の時間を確保できます。任意売却では金融機関の「同意」を得るために交渉を行います。その交渉までに、不動産の査定、査定根拠の作成、残債の返済計画などを作成しますので、時間的な余裕がある方が心に余裕を持って進めることができます。
2. 信用情報に事故として登録されない(いわゆるブラックリスト)
住宅ローンを滞納する前に任意売却を行うと、信用情報機関への事故登録を防ぐことができます。住宅ローンを3か月以上滞納した場合は事故登録されることが多く、いわゆるブラックリスト登録につながるので、滞納せずに任意売却を進められる方がいいでしょう。
3. 競売を回避できる
住宅ローンを滞納していない限り、競売に進むことはありません。住宅ローンを滞納すると3か月〜6か月くらいで分割で返済する権利を失い、一括返済できなければ競売へと進んでいきます。
相談が早ければ選べる選択肢
住宅ローンの返済が難しくなりそうな場合は、相談が早ければ早いほど選択肢が広がります。特に自宅に住み続けたいと考えている方は、早めに行動に移すことをおすすめします。どのような選択肢があるのかを詳しく解説します。
1. 金融機関に返済プランを調整してもらい支払いを続ける
まず一番最初は、住宅ローンを組んでいる金融機関へ相談しましょう。そこで住宅ローンの返済プランを見直しすれば返済を続けていけることが分かれば、返済期間や返済金額などを見直しをしてくれることがあります。ここで解決することができれば、家を失わずに住み続けることができます。
2. 別の金融機関で住宅ローンを借り換える
今ローンを組んでいる金融機関でプランの見直しに応じてくれなかったとしても、別の金融機関で住宅ローンを借り換える選択をすることができます。住宅ローンを借り換えて返済期間を伸ばすことで、毎月の返済金額を下げることができるでしょう。住宅ローンの借り換えで解決することができれば、家を失わずに住み続けることができます。
3. アンダーローンの場合に選べる選択肢
ローンの残債よりも不動産の市場価格の方が高いアンダーローンの場合は、リースバックを利用すれば住宅ローンを完済しそのまま自宅に住み続けることもできます。
通常の不動産売却で自宅を売却する
住宅ローンの支払いが難しくてもアンダーローンの場合、通常の不動産売却が一番手元にお金が残る方法です。任意売却よりも高い価格での売却が期待できるため、残債を完済後、余ったお金を新しい生活のために使用できます。しかし自宅を売却するため、引越しが必要となります。引越し費用や、不動産仲介会社へ仲介手数料がかかります。通常の不動産売却をしたい場合は、不動産売却が得意な不動産仲介業者へ相談しましょう。
自宅に住み続けたいならリースバック
リースバックという方法を選択することで、売却後も現在の自宅に住み続けることが可能です。リースバックではリースバック会社へ自宅を売却し、売却後は賃貸として住み続けます。通常の不動産売却よりも売却価格は安くなりますが、そのまま自宅に賃貸で住み続けることができます。
リースバック専門店「イエする」の事例では、住宅ローンを毎月15万円返済していたものが家賃に変わることで11万円に軽減し、ローン残債の1,800万円も完済できた方がいらっしゃいます。リースバックを利用したい場合は、リースバックの専門業者へ相談しましょう。
4. オーバーローンの場合に選べる選択肢
ローンの残債よりも不動産の市場価格の方が低いオーバーローンの場合は、住宅ローンを返済しきれずに残る残債分の資金を別で用意できるかできないかによって、選べる選択肢が変わってきます。
残債分の資金を用意できれば、通常の不動産売却もリースバックも利用できる
残債を完済できるだけの費用を別途用意できる場合は、通常の不動産売却もリースバックもどちらでも選択できます。引越ししても良い場合は通常の不動産売却を、住み続けたい場合はリースバックを利用するといいでしょう。
残債が多い場合は任意売却で自宅を売却する
残債が多く残ってしまう場合は、任意売却を選択しましょう。任意売却を利用することができれば競売を回避することができ、競売よりも高く売れる可能性が高くなります。任意売却を利用する場合は、任意売却の経験豊富な不動産業者へ相談しましょう。
ローンを滞納しそうなときの相談先
住宅ローンの返済が難しいと感じたとき、どこに相談すればいいかご紹介します。
- 任意売却専門の不動産会社
任意売却を利用したい場合は、任意売却を専門で取り扱っている不動産会社に相談しましょう。 - 家に住み続けたいならリースバック会社
任意売却後も今の自宅に住み続けたいという場合は、リースバックの専門業者に相談しましょう。 - 弁護士・司法書士
様々なところからお金を借りている場合や、過払い金がある場合は法律の専門家に相談した方が良いでしょう。自己破産をしたい場合も法律の専門家に相談しましょう。ただし、弁護士や司法書士は不動産売却の取り扱いはしませんので、後々は不動産会社も選ぶ必要があります。(紹介してくれる場合もあります)
自宅に住み続けたいならリースバックと併用する方法を探ろう
住宅ローンの支払いが難しいけれどこのまま自宅に住み続けたい場合は、任意売却とリースバックを併用できる方法を探しましょう。住宅ローンの残債が多い場合はリースバックを利用することが難しいですが、下記に当てはまる場合はリースバックを利用できる可能性があります。
- 住宅ローンの残債より売却価格の方が高い場合(アンダーローンの場合)
- 住宅ローンの残債が残った場合は、残債との差額を他の方法で調達できる場合
- 売却価格がローン残債より低くても、抵当権抹消を金融機関が承諾してくれた場合
また、自宅の査定をしてみたら思ったより高い価値があることがわかり、別途用意が必要な資金が少なく済む場合もあります。ある程度だったら親族が貸してくれたり、金融機関から借り入れることも可能かもしれません。経済状況の立て直しを行いながらそのまま住み続ける方法を探しましょう。
リースバック専門店「イエする」は、全国対応のリースバック専門店です。住宅ローンの支払いが難しい多くのお客様のご相談を受けてきた実績から、任意売却がいいか、リースバックがいいか、両方併用がいいか、最適な方法をご提案します。まずはご相談ください。
まとめ:ローンを滞納しそうになったらすぐ対処しよう
住宅ローンの返済が難しくなりそうな予感を感じた際は、早めに適切な相談先へ相談しましょう。対応が早ければ早いほど、多くの選択肢から解決策を選ぶことができます。住宅ローンを35年で組んでいる方も多いと思いますが、35年間の間にはいろいろなことがあるでしょう。経済的な困難は大変辛いものです。一人で悩まずに、ぜひ気軽に相談してください。
住宅ローンを滞納する前からリースバック専門店「イエする」へご相談いただき、住宅ローンを完済しながらも自宅に住み続けられた成功事例を紹介します。