厚生年金は公的年金で、国民年金に加算して受け取れる年金です。厚生年金に加入していると、将来の年金受給額を増やすことができます。
でも、「いくらもらえるの?」と疑問に思う人は少なくありません。この記事では、年収別に将来受け取れる厚生年金の額を解説します。

厚生年金とは?
厚生年金とは、会社員や公務員が加入する公的年金です。厚生年金の適用事業所に勤務している常時従業員が加入対象で、正社員だけではなくパートタイムやアルバイトも加入の対象となります。
厚生年金保険の加入者は、給与に応じた保険料を、給与天引きで納めます。給与額と保険料を支払った期間によって、老後の年金受給額が変わります。
厚生年金受給者の平均受給額は、月額約14.9万円です(2025年度)。
2025年4月の年金額改定(+1.9%)を反映した水準となっています。
※個人の加入状況(加入期間、収入、生年月日等)により大きく異なります。
厚生年金の受給資格を得るには、最低10年(120か月間)の保険料の支払いが必要です。受給資格を満たした場合は、基本的に65歳から年金の受給が開始されます。
たとえば、8年間だけ正社員で働いて、その後は個人事業主で厚生年金に加入しなかった場合は、厚生年金の受給資格はありません。
参考:日本年金機構 厚生年金保険
参考:厚生労働省 いっしょに検証!公的年金〜年金の仕組みと将来〜 第04話 日本の公的年金は「2階建て」
年収別・加入期間別の厚生年金受給額
厚生年金の受給額は、あなたの年収や加入期間によって大きく変わります。年収と加入期間が厚生年金受給額にどのような影響を与えるのか、具体的な数字を使って説明します。
年収別:250万、500万、800万円、1000万円でいくらもらえる?
厚生年金は、給与・賞与に基づいて計算されます。年収が高いほど支払う保険料が多くなり、結果として将来受け取れる厚生年金が多くなります。
現役時の平均給与年収別で、受給できる年金額をみてみましょう。厚生年金を満額(40年間)支払い、65歳から年金を受給開始する場合でシミュレーションしました。
厚生年金を満額(40年間)支払った場合の想定受給額
| 平均給与年収 | 国民年金(満額)+厚生年金(満額) |
|---|---|
| 年収250万円 | 119,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約5万円) |
| 年収300万円 | 131,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約6.2万円) |
| 年収400万円 | 149,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約8万円) |
| 年収500万円 | 169,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約10万円) |
| 年収600万円 | 189,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約12万円) |
| 年収700万円 | 209,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約14万円) |
| 年収800万円 | 224,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約15.5万円) |
| 年収1,000万円 | 262,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約19.3万円) |
※上記は2025年度の概算値です。
※厚生年金額は、賞与なし・平均標準報酬月額が年収÷12と仮定した場合の試算です。
※実際の受給額は、賞与の有無、加入履歴、生年月日により異なります。
加入期間別:10年、25年、40年での受給額の違い
厚生年金の加入期間が長いほど、受け取れる年金額は増加します。最低10年間の加入期間で受給資格を満たしますが、加入期間が25年、40年と長くなるにつれて受給額も多くなります。
加入期間別で、受給できる年金額をみてみましょう。わかりやすいように、国民年金を満額(40年間)支払ったとして、65歳から年金を受給開始する場合でシミュレーションしました。
厚生年金に10年間、25年間、40年間加入した場合の想定受給額
| 平均給与年収 | 厚生年金加入期間 | 国民年金(満額)+厚生年金 |
|---|---|---|
| 年収250万円 | 10年間 | 87,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約1.8万円) |
| 25年間 | 103,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約3.4万円) | |
| 40年間 | 119,300円(月額) (厚生年金約6.9万円+厚生年金約5万円) | |
| 年収500万円 | 10年間 | 98,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約2.9万円) |
| 25年間 | 130,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約6.1万円) | |
| 40年間 | 169,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約10万円) | |
| 年収800万円 | 10年間 | 110,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約4.1万円) |
| 25年間 | 161,000円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約9.2万円) | |
| 40年間 | 224,300円(月額) (国民年金約6.9万円+厚生年金約15.5万円) |
※上記は2025年度の概算値です。
※厚生年金額は、賞与なし・平均標準報酬月額が年収÷12と仮定した場合の試算です。
※実際の受給額は、賞与の有無、加入履歴、生年月日により大きく異なります。
繰り上げ・繰り下げ受給による受給額の違い
65歳から年金を受け取ることを「基本受給」といいます。65歳は平均的な退職年齢と考えられているためです。
60歳から65歳までの間に年金を受け取ると「繰上げ受給」となり、減額された年金を受給することになります。受給期間が長くなるため、月額の支給額が減ります。
反対に、66歳から75歳までの間に年金を受け取ると「繰下げ受給」となり、増額された年金を受給することができます。受給期間が短くなるため、月額の支給額が増えます。
2022年4月の法改正により、繰下げ受給の上限年齢が70歳から75歳に延長されました。75歳まで繰り下げると最大84%増額されます。
【繰下げ受給の増額率(参考)】
・66歳:+8.4%
・70歳:+42%
・75歳:+84%
例:65歳で月額15万円の場合
→ 75歳まで繰下げ:月額約27.6万円(+12.6万円)
※増額・減額率は終身適用されます。
| 受給開始年齢 | ひと月当たり | メリット | デメリット | |
|---|---|---|---|---|
| 繰り上げ受給 | 60歳から65歳までの間に受給を開始する | 0.4%減額 | 早い時期から収入を確保できる | 長生きすと受給総額は少なくなる |
| 基本受給 | 65歳から受給を開始する | 減額・増額なし | ||
| 繰り下げ受給 | 66歳から75歳までの間に受給を開始する | 0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数増額 | 長生きすればするほど受給総額が増える | 受給開始までの生活資金が必要 |

夫婦世帯の厚生年金受給額シミュレーション
夫婦世帯は、共働き世帯か、専業主婦(主夫)世帯かで受給額が異なります。
夫婦が共に働いていた場合、それぞれが独立して年金を受け取ることができ、受給額は増えます。一方、片方が専業主婦(主夫)であった場合でも、基礎年金の受給資格があれば、国民年金の受給が可能です。
共働き夫婦世帯の年金受給額
夫婦それぞれが厚生年金の受給資格を持つ場合、合わせて受け取れる年金額は多くなります。
夫が年収500万円、妻が年収300万円、共に40年間厚生年金に加入していた場合
| 夫の年金額:月額約16.9万円 妻の年金額:月額約13.1万円 |
| 合計年金額:月額約30万円 |
専業主婦(主夫)世帯の年金受給額
どちらかが専業主婦(主夫)であった場合は、専業主婦(主夫)だった人は国民年金のみの受給額になります。
夫が年収800万円、妻が専業主婦(第3号被保険者)の場合
| 夫の年金額:月額約22.4万円 妻の年金額:月額約6.9万円(国民年金の基礎年金のみ) |
| 合計年金額:月額約29.3万円 |
※2025年度の概算値です。賞与の有無、加入履歴、生年月日により実際の金額は異なります。
配偶者が亡くなったときの厚生年金受給額
大切な配偶者を亡くしたとき、年金受給額にも変化があることを知っておきましょう。配偶者が亡くなった場合、残された家族は遺族年金を受け取ることができます。
亡くなった人が厚生年金に加入していた場合は「遺族厚生年金」です。
- 1. 夫婦ともに厚生年金で、夫が亡くなった場合(共働き会社員世帯)
-
夫の死亡により、遺族厚生年金の受給権が発生します。妻の基礎年金に加えて、①②③からいずれかを選択できます。
①遺族厚生年金(夫の厚生年金の4分の3)のみを受給
②妻の厚生年金のみを受給
③夫と妻の厚生年金の合計額の2分の1を受給 - 2. 夫が厚生年金、妻が国民年金で、夫が亡くなった場合(専業主婦世帯)
-
夫の死亡により、遺族厚生年金の受給権が発生します。妻の基礎年金に加えて、遺族厚生年金(夫の厚生年金の4分の3)を受給できます。
- 3. 夫婦ともに国民年金で、夫が亡くなった場合(自営業・フリーランス世帯)
-
夫の年金は無くなり、妻の基礎年金(国民年金)のみ受給できます。国民年金の場合は「遺族基礎年金」となり、18歳未満の子どもがいる家庭のみ受給することができます。
参考:日本年金機構 遺族年金
参考:女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会(平成13年12月)報告書~女性自身の貢献がみのる年金制度~
※資料V-6-4 高齢の遺族配偶者(妻)の遺族年金
参考:日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
厚生年金受給額を増やす方法
厚生年金の受給額を増やすには、40年間(480か月間)の保険料をすべて納めることが重要です。今からでも年金受給額を増やす方法があるか、確認しましょう。
70歳まで働いて厚生年金に加入する
定年退職後も厚生年金に加入することで、将来の受給額を増やすことができます。厚生年金保険は70歳まで加入することができます。年金の受給を初めても厚生年金は支払うことができ、受け取る年金額を増やせます。
在職老齢年金の基準額引き上げ(2025年4月改正)
2025年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が引き上げられました。
【改正内容】
・改正前:月額50万円以上で年金の一部または全部が支給停止
・改正後:月額51万円以上で年金の一部または全部が支給停止
これにより、年金を受給しながら働く高齢者にとって、より多くの収入を得やすくなりました。
例:月給50.5万円の場合
・改正前:年金の一部が支給停止
・改正後:年金は全額支給
収入が増えると年金受給額も上がる
収入が増えた場合、それに伴い厚生年金の保険料も自動的に上がり、結果として将来の受給額も増えます。
厚生年金が足りない場合はイエするのリースバック
厚生年金を受給していても老後資金が足りないときは、自宅をリースバックすることで解決できることがあります。
リースバックの仕組みとメリット
リースバックとは、自己所有の不動産(自宅)を売却し、その後も賃貸で同じ家に住み続けることができる制度です。リースバックは、住み慣れた家を離れたくない人に適しています。ただし、家賃の支払いが続くので長期的な資金計画が必要です。
リースバック専門店「イエする」のリースバックは、最短5日で現金化することができます。無料相談までお問い合わせください。
| 不動産の売却 | ・自宅をリースバックの専門会社に売却します。 ・売却価格は市場価値や不動産の状態に基づいて決定されます。 |
|---|---|
| 賃貸契約の締結 | ・同じ家に住み続けるための賃貸契約を結びます。 ・賃貸契約は住み続けたい期間はずっと住み続けられるように内容を確認しましょう。 |
| 資金の活用 | ・売却によって得た資金を、老後の生活資金に活用することができます。 |
実際にイエするのリースバックで老後資金を調達した事例
リースバック専門店「イエする」のリースバックを利用して、老後資金を確保している方がたくさんいらっしゃいます。お気軽にご相談ください。
まとめ:厚生年金がいくらもらえるか確認して老後に備えよう
厚生年金は、年収や加入期間によって、受け取れる年金額が大きく変わります。年収が高く、加入期間が長いほど、受け取れる年金額も増加します。
あなたが将来受給できる年金額は、日本年金機構から提供される「ねんきん定期便」や、オンラインの「ねんきんネット」で確認すると良いでしょう。
年金だけでは老後の生活費が足りない場合は、できる限り働き続けたり、持ち家をリースバックするなどして資金を調達しましょう。

厚生年金受給額に関するよくある質問
※ この記事の情報について
・最終更新:2026年1月6日
・適用データ:2025年度(令和7年度)版
本記事は2025年度の年金制度に基づいています。
2025年4月から年金額が1.9%引き上げられました。
※次年度の年金額が発表され次第、速やかに更新いたします。

