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リバースモーゲージとは?老後の生活を安定させる資産活用法【専門家が解説】

【専門家が解説】リバースモーゲージとは?老後の生活を安定させる資産活用法

老後の生活資金に不安はありませんか?日本では高齢者が増える一方で、その生活費の確保が問題になっています。2019年に金融庁が「老後の30年間で約2,000万円が不足する」と発表したことで、老後2,000万円問題が話題になりました。

老後の資金調達の一つとしてリバースモーゲージが注目されていますが、リバースモーゲージはご自分の大切な自宅を活用した高齢者向けの資金調達の方法です。

この記事では、リバースモーゲージとそのメリット・デメリット、老後の資金調達プランについて詳しく解説します。ご自身で老後の資金調達を検討されている方だけでなく、ご高齢のご両親をお持ちの方も参考にしていただけます。

リバースモーゲージが最適なのか、他の方法、たとえばリースバックで資金調達することが最適なのかを確認し、ご自身に合った安心の老後資金プランを立てましょう。

目次

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージは、戸建てやマンションなどの自宅を担保にしてお金を借りる金融商品です。まずは、その基本的な仕組みを理解しましょう。

自宅を担保にしてお金を借りる仕組み

リバースモーゲージは、自宅を担保にして銀行などの金融機関からお金を借りる方法です。所有している住宅の価値に基づいて一定期間、一定金額を借り入れるというものです。そして、借入人が亡くなったときに、担保にした自宅を売却して借入金を返済します。

生前は借りたお金の元本は返済する必要がなく、借入人が亡くなったときに、担保にした自宅を売却して借入金を返済します。

「リバース=逆の」「モーゲージ=不動産を担保にしたローン」という名前のとおり、一般的な住宅ローンとは逆に、借入残高が徐々に増えていきます。銀行や信託銀行、地方銀行、信用金庫などの一部の金融機関や、自治体が福祉サービスの一環として提供しています。

商品のしくみは金融機関によって異なり、借りる方法も年金型や一括融資型などがあります。

  • 定期的に定額の融資を受ける「年金型」
  • まとまった金額を一括して借りる「一括融資型」
  • 決められた金額の範囲で随時利用する「自由融資型」

参考:国民生活センター 国民生活12 NO.124 特集 老後の住宅資産活用の注意点―リバースモーゲージ、リースバックを中心に

リバースモーゲージを提供している金融機関によって内容や条件が異なりますが、下記のような活用方法があります。担保とする自宅の資産価値により、融資の上限額が決まっています。

  • 活用方法①「年金型」
    定期的に定額の融資を受け、毎月の返済はなし。亡くなったときに不動産を売却し一括返済する。
  • 活用方法②「一括融資型」
    一括でまとまった金額の融資を受け、毎月利息分のみを返済する。亡くなったときに不動産を売却し一括返済する。
  • 活用方法③「自由融資型」
    あらかじめ決められた限度内で必要な時に必要な金額の融資を受け、亡くなったときに不動産を売却し一括返済する。

リバースモーゲージを利用できるのは、自宅を所有している一定の年齢以上(通常は65歳以上)の人です。借入金なので自宅に住み続けながら返済していくことになりますが、利息分のみなので一般的なローン商品よりも月々の返済は少額になります。

このように、リバースモーゲージは所有している自宅を活用して老後の生活費を確保するために有効な方法となります。

似ている方法で「不動産担保ローン」があります。自宅を担保にして借入れを行うことは同じですが、元本と利息の両方を返済していくので毎月の返済額が高額になります。問題なく返済できれば自宅はそのまま所有し続けられますが、返済ができなくなった場合は担保不動産を売却されてしまいます。

リコース型とノンリコース型の違い

リバースモーゲージには、「リコース型」と「ノンリコース型」があります。リコース型は、借入人が全ての債務を返済しなければならないローンです。一方、ノンリコース型は、不動産の売却代金だけで全ての債務が清算されます。

リバースモーゲージは、借入人が亡くなった後に担保不動産を売却してローンを返済しますが、売却額では足りずに残債が残った場合に扱いが異なります。リコース型の場合は相続人に残債の請求が行きますが、ノンリコース型の場合は相続人に請求は行きません。

リコース型相続人に残債の請求が行くノンリコース型よりも金利が低い傾向がある
ノンリコース型相続人に残債の請求が行かないリコース型よりも金利が高い傾向がある

最近は、相続人に請求が行かないノンリコース型が増えていますが、ノンリコース型はリコース型に比べて金利が高くなる場合があります。住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、どちらを選択するか選ぶことができます。

相続人に請求さたくない方はノンリコース型

もし残債が残った場合に、相続人に請求されたくない方はノンリコース型を選択しましょう。

利益が出たら相続人に引き継がれる

担保となっている自宅を売却して借入金を返済した後に利益が残ってプラスになった場合は、リコース型もノンリコース型も、相続人に利益分が引き継がれます。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットを紹介します。高齢者が使いやすいことが主なメリットです。

老後の生活資金を確保できる

リバースモーゲージは65歳以上(金融機関によって50歳以上)から利用できるローンですので、老後の生活資金を確保することに特化しています。

自宅に住み続けることができる

リバースモーゲージは、自宅を売却せずに住み続けることができるという点が、大きなメリットになります。今までの暮らしを変えずに、寿命までの期間、あるいは老人ホームなどに入るまでの期間、ずっと自宅に住み続けることができます。

元本の返済が不要

通常のローンと異なり、リバースモーゲージでは生前は元本を返済する必要がありません。借入人が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するローンのため、元本を返済する必要がないのです。

本人が亡くなっても配偶者が契約を引き継げる

ご夫婦で暮らしていて借入人本人が亡くなってしまったときは、配偶者が契約を引き継ぐこともできます。こちらは契約内容によって変わりますので、事前に金融機関に確認し、契約書の内容に記載があるかも必ず確認しましょう。

リバースモーゲージのデメリット

リバースモーゲージのデメリットを紹介します。多くの人が不満や不便を感じる点は、融資の条件が厳しく、制限が多いことです。

融資の条件が厳しい

リバースモーゲージは金融機関からの「融資」なので、物件評価だけではなく借り入れる人の審査があり、所得が一定以下の場合には利用できない可能性があります。

それぞれの金融機関や商品によって異なりますが、年齢制限に加えて、所得や物件の評価額など、融資を受けるための条件が設けられています。

たとえば、住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、年収に占める全ての借入れに関する年間返済額(および年間支払額の合計額)の割合に制限があり、車のローンなど他に借入金がある場合は利用できないことがあります。

参考:住宅金融支援機構 60歳からの住宅ローン【リ・バース60】

対象物件が限られる

リバースモーゲージは、対象物件にも制限があります。対象となるのは、原則一戸建てです。マンションは対象外になることが多いといえます。マンションが対象外になる理由は、主に土地の担保評価額で融資限度額を決めるからです。

また、多くの場合、対象エリアにも制限があります。リバースモーゲージの対象になるのが、基本的に大都市エリアの物件です。地方の物件がリバースモーゲージを利用しづらい理由は、大都市エリアに比べると不動産の価値が下がりやすいからです。

対象となる人が限られる

リバースモーゲージは、誰でも自由に申し込めるわけではありません。対象年齢は原則65歳以上(金融機関によっては50歳以上)、同居家族は原則配偶者です。

基本は65歳以上の単身者または夫婦2人暮らしが対象になります。子どもや親族などと同居している場合は利用できません。また、本人だけではなく、配偶者にも年齢制限がある場合が多いです。住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、借入申込日現在で満60歳以上である方に限られます。

金利が上昇した場合は返済金額が増える

リバースモーゲージは「融資」なので、金利変動の影響を受けます。リバースモーゲージの金利は、基本的に変動金利となっており、金利の変動により返済金額が増減することになります。

金利が上昇した場合は想定よりも多くの返済が必要になる可能性があるため、金利変動のリスクを理解した上で利用することが重要です。

お金の使い道が限定される

リバースモーゲージで得た資金は、使い道が限定されているケースが多くみられます。社会福祉協議会が提供しているリバースモーゲージの資金用途は原則生活資金に限定されていますし、住宅金融支援機構のリバースモーゲージは住宅関連に用途が制限されています。

住宅金融支援機構の「リ・バース60」の資金に使い道

  • ご本人が居住する住宅の建設資金または購入資金
  • 住宅のリフォーム資金
  • 住宅ローンの借換資金
  • サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
  • 子世帯などが居住する住宅の取得資金を借り入れるための資金

金融機関のリバースモーゲージも、老後の生活資金確保を主な目的としていますので、事業資金や投資資金としては活用できないことがほとんどです。

推定相続人の同意が必要

リバースモーゲージは、借入人本人が亡くなったときに、担保にしていた家を売却して返済するため、家を相続人に残すことができません。

そのため、リバースモーゲージの利用にあたっては、配偶者や子どもなどの推定相続人の同意が必要です。この同意を得られない場合も、リバースモーゲージの利用はできません。

リコース型は負債が残ったら相続人が返済しなければならない

リバースモーゲージの契約内容が「リコース型」の場合は、本人が亡くなったときに家を売却しても返済額に足りずに負債が残ったときは、相続人が残りの負債を返済することになります。

本人が亡くなった時に不動産の価値が下がっていると、売却額では足りなくなる場合がありますので注意が必要です。

借りられる金額が不動産の価値の5割程度

リバースモーゲージで借り入れることができる金額は、不動産の評価額の5〜7割です。自宅の評価額が低い場合は、必要な資金を調達することが難しいかもしれません。

不動産の評価額とは、「固定資産税評価額」のことで、毎年6月ごろに送られてくる固定資産税の納付書で確認することができます。

リバースモーゲージの3大リスク

リバースモーゲージには、確かに老後の生活を支えるメリットがありますが、その一方でリスクも存在します。ここでは、その3大リスクについて詳しく見ていきます。

特にご注意いただきたいのは、自宅で生活ができるくらい元気に長生きしたことで、望まない結果をまねくことがある点です。リスクをよく理解してから利用の検討をしてください。

「金利上昇リスク」融資が少なくなり返済が増える

リバースモーゲージの金利タイプは、変動金利型が主流です。契約期間中に金利が上昇すると、当初の想定よりも融資を受けられる金額が減ってしまう恐れがあります。また、毎月の利息負担も増えることが考えられます。

契約期間中は元本返済を必要としないリバースモーゲージですが、利息返済は毎月必要です。金利上昇により、老後の生活や家計に悪影響が及ぶかもしれません。

「不動産価格下落リスク」評価額が下がり融資額が減る

リバースモーゲージは自宅などの住宅を担保としています。そのため、不動産の評価額が下がると、融資を受けられる上限金額も減ってしまいます。

商品によっては、定期的に不動産評価額の再評価をおこない、借入上限額の見直しをする場合があります。不動産の価値が下がったことにより、借入残高が借入上限額を上回った場合は、上回った分の返済を請求されることになります。

「長生きリスク」長生きすると家を失い借金が残る

リバースモーゲージは借入人が生きている間は利息を返済する必要があるので、長生きすればするほど、支払う利息の総額は多くなります。

また、毎月決まった金額を受け取る契約では、長生きしすぎると借入上限額になってしまう場合があります。この場合、金融機関は融資を停止し、一括で返済するように求めてきます。

こうなると多くの方は自宅を売却して返済することになるでしょう。その結果、長生きしたことで家を失い、もし全額返済できなかった場合は借金が残ることになります。

リバースモーゲージ型住宅ローンとは?

リバースモーゲージ型住宅ローンとは、住宅関連のために、まとまった金額を一括で借りる「一括融資型」のことをさしています。借入人が亡くなったときに、担保にした自宅を売却して借入金を返済すること、毎月の返済は利息分のみになることはこれまで解説した内容と同じです。

たとえば、住宅ローンの残債が残っている時に、残債分の金額をリバースモーゲージで融資を受けて返済することができれば、今後の返済は利息分のみにすることができます。他にも、自宅をバリアフリーにリフォームするための工事費用の融資を受けるときに利用することができます。

年齢制限が50歳以上に設定されている金融機関が多いのが特徴ですが、長生きリスクも確認しながら商品選びは慎重におこないましょう。

リバースモーゲージの審査基準

リバースモーゲージは金融機関からの「融資」にあたるため、利用するときは「審査」を受けます。金融機関や商品によって融資基準は異なりますが、一般的にチェックされる審査項目を紹介します。

  • 年齢
    主に高齢世代が対象となり、対象年齢かどうかを確認されます。一般的には65才以上、商品によっては50才以上です。配偶者の年齢も確認されます。
  • 担保にする不動産の価値
    担保にする自宅の価値を評価されます。評価された価値の5〜7割程度が融資額の上限になります。
  • 同居している人、家族構成
    本人1人のみか、配偶者の同居のみに制限されます。子どもや親族などが同居している場合は利用できません。
  • 借入金の総額金額
    他の借入金も合わせた総額を確認します。住宅ローンの残債や車のローン、その他の借入金を含めた総額で審査されます。
  • 年収、所得
    安定した収入があるかも審査されます。毎月の利息分の支払いが期待できない場合は、審査に通らないと考えましょう。
  • 推定相続人の同意の有無
    リバースモーゲージは本人が亡くなったときに自宅を売却するため、相続人に不動産としての資産を残すことはできません。そのため、推定相続人全員の同意が必要です。

一般的にはこれらの項目の審査があるので、リバースモーゲージの審査は通りにくいと言われています。

当社リースバック専門店「イエする」にも、リバースモーゲージの審査が通らなかったというご相談をたくさんいただいています。その場合でも、リースバックなら利用できるケースが多いので、あきらめずにご相談ください。

リバースモーゲージの金利相場

リバースモーゲージには「金利上昇リスク」があることを前述しました。ここでは金利とは何か、その相場と計算方法について解説します。

リバースモーゲージの金利とは?

リバースモーゲージの金利とは、借りたお金に対する「利息」のことをさします。金利が高いほど、支払う利息の負担は大きくなります。

リバースモーゲージは基本的に変動金利です。金利は経済状況や金融機関によって上下しますが、リバースモーゲージもその影響を受けることを意味します。そのため、金利が下がると返済利息も減りますが、金利が上昇すると返済負担が増えることになります。

リバースモーゲージの金利相場とは?

リバースモーゲージの金利相場は、一般的な住宅ローンと比べると高めになり、おおよそ3%前後に設定されています。住宅ローンの金利はおよそ年0.4%〜年1.5%なので、リバースモーゲージの金利が高く設定されていることがわかります。

この理由は、リバースモーゲージは、契約者が亡くなったり老人ホームなどの施設に入所したりすると契約が終了します。その際に住宅の価格がローン残債より下回った場合、金融機関はその差額を損失として計上します。こういったリスクがあるため、リバースモーゲージの金利は一般的な住宅ローンよりも高く設定されています。

一般的には、短期プライムレート(主要な銀行が最も信用力のある企業に対して適用する、1年以内の短期貸出の金利)を基準としてリバースモーゲージ用の金利を1%ほど上乗せする金融機関が多いようです。

金利の相場を知ることで、負担することになる金額を把握し、リバースモーゲージが自分のライフプランに適しているかどうかを確認しましょう。

リバースモーゲージの金利の計算方法

リバースモーゲージの利息は、借り入れ額と金利から計算します。下記では具体的な事例を見ていきましょう。

一括で借りて毎月利息のみを返済するケース

自宅の評価額が4,000万円で、2,000万円を金利3%で借り入れた場合、年間の利息は60万円になり、月々の計算は5万円になります。

不動産評価額4,000万円
借入上限額2,000万円〜2,800万円(不動産評価額の5割〜7割)
金利3%
年間の利息60万円
毎月の利息5万円

リバースモーゲージは、借入金の元本は減らないため、生きている間はずっと利息を支払い続けることになります。

国や自治体、金融機関が提供するリバースモーゲージの違い

リバースモーゲージは、国や自治体から提供されるものと、民間の金融機関から提供されるものがあり、それぞれに特性があります。どのようなリバースモーゲージを提供しているのか、その違いについて説明します。

国や自治体が運営するリバースモーゲージ「不動産担保型生活資金」

国や自治体が運営する公的なリバースモーゲージは「不動産担保型生活資金」といいます。(2009年9月以前の名称は「長期生活支援資金」)これは、高齢者の生活保障の一環として導入され、低所得の高齢者を対象にしています。

持ち家と土地があっても現金収入が少ない高齢者が、その居住用不動産を担保に生活費を借り入れることにより、世帯の自立支援を図っていく貸付制度です。借りたお金は、生活資金にのみ使用できます。金利が低いことが特徴で、年3%か長期プライムレートの低い方になるので、金利が上がっても年3%以上を支払う必要がありません。

東京都の貸付対象や条件を見てみましょう。より詳しい内容は、市区町村の社会福祉協議会にお問い合わせください。

対象世帯・借入申込者が単独で所有している不動産に居住している世帯
・世帯の構成員が原則として65歳以上
・世帯の構成が次のいずれかであること①単身②夫婦のみ③①または②と借入申込者もしくは配偶者の親が同居
・世帯員の収入が区市町村民税非課税または均等割課税程度の低所得世帯
対象不動産(土地・建物)・賃貸権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていない
・土地の評価額が概ね1,500万円以上の一戸建て住宅(マンション等の集合住宅は不可)
貸付内容・貸付月額/30万円以内
・貸付交付/原則として3か月ごとに交付
・貸付限度額/担保となる土地評価額の概ね70%
・貸付期間/貸付元金利が貸付限度額に達するまでの期間
・貸付金の利率/年3%または当該年度における4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い方を基準として定めます
借入に必要な担保措置・不動産を担保にします
・連帯保証人が必要です
・推定相続人の同意が必要です

運営しているのは都道府県の社会福祉協議会で、市区町村の社会福祉協議会が窓口となります。

参考:社会福祉法人東京都社会福祉協議会 不動産担保型生活資金貸付のごあんない
参考:社会福祉法人全国社会福祉協議会 都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)

生活保護の世帯向け「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」

もう一つ国が運営するリースバックで、生活保護の対象となる世帯が利用できるものを「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」といいます。生活保障の一環として導入され、要保護の高齢者世帯を対象としています。

住宅金融支援機構のリバースモーゲージ「リ・バース60」

住宅金融支援機構のリバースモーゲージは、住宅金融支援機構と提携している金融機関が提供するリバースモーゲージで「リ・バース60」という商品名です。

満60歳以上の人が対象で、リフォームや建替えに利用でき、生活資金には利用できません。金利や資金の使い道、融資の限度額は各金融機関により異なります。

ご利用いただける方・借入申込日現在で満60歳以上である方(満50歳以上も利用できる場合がある)
・年収に占める全ての借入れに関する年間返済額および年間支払額の合計額の割合が次の基準を満たしている方(年収400万円未満の場合:30%以下、年収400万円以上の場合:35%以下)
資金の使いみち・ご本人が居住する住宅の建設資金または購入資金
・住宅のリフォーム資金
・住宅ローンの借換資金
・サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
・子世帯などが居住する住宅の取得資金を借り入れるための資金
ご融資の限度額満60歳以上:50%または60%
融資金利・手数料金融機関により異なる
担保(抵当権)融資対象住宅および土地に対して、金融機関を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定
融資対象住宅新耐震基準(昭和56年6月1日以後の建築基準法に定める耐震基準)相当の耐震性を有することが必要
保証人不要

参考:住宅金融支援機構 60歳からの住宅ローン【リ・バース60】

金融機関のリバースモーゲージ

金融機関が提供するリバースモーゲージは、銀行などの民間の金融機関が提供するもので、その金融機関の独自の商品となるため、内容はそれぞれ異なります。

金融機関が提供するリバースモーゲージの特徴は、自由度の高さがあげられます。50歳から利用できる商品もあり、年齢制限も低く設定されています。

また、資金の使い道の制限も「不動産担保型生活資金」や「リ・バース60」と比べると厳しくありません。

リバースモーゲージが合っている人

リバースモーゲージが合っているのは、以下のような人です。家を相続したい相続人がいない方、将来は空き家になりそうな方は向いていると考えられます。

  • 自宅のリフォーム資金を借りたい高齢者
    自宅をリフォームするための資金が必要な方は、住宅金融支援機構のリバースモーゲージ「リ・バース60」を検討するとよいでしょう。
  • 家を相続したい相続人がいない
    家を資産として相続したい相続人がいない場合は、生きているうちに資産を自分で活用することができます。所有している自宅に住みながら、資金を調達できるので、セカンドライフのために活用できるでしょう。 
  • 老人ホームで暮らす予定
    老人ホームで暮らす予定の人にとって、リバースモーゲージは老人ホームの入居費用や生活費をまかなうことができます。ただし、今後はずっと老人ホームで暮らす予定で自宅に戻らない場合は、自宅を売却した方が多くの資金をてにすることができます。

リバースモーゲージの問題をクリアするリースバック

所有している自宅を活用して資金を調達するには、リバースモーゲージ以外にも様々な方法があります。その一つが「リースバック」です。ここではリースバックという選択肢について詳しく説明します。

これまで見てきたとおり、リバースモーゲージは条件が難しかったり、デメリットやリスクがありますが、リースバックなら解決できることがあります。

リースバックとは何か?

リースバックは、自宅を売却し、そのまま賃貸として住み続ける仕組みです。自宅を売却することでまとまった金額を受け取ることができます。さらに、リースバックは毎月の支払いが家賃になることで、金利の上昇や不動産評価額が下落することでのリスクがありません。

リースバックなら金利は発生しない

リースバックは「融資」契約ではありませんので、利息は必要ありません。つまり、金利上昇リスクもありません。

リースバックも自宅にそのまま住み続けることができますが、賃貸借契約なので賃料を毎月支払うことになります。リバースモーゲージは利息分だけを支払いますが、リースバックでは家賃になるので、支払う金額が多くなる場合があります。毎月支払える金額をリースバック会社に相談することで、家賃を調整することができます。

リバースモーゲージとリースバックの違い

リバースモーゲージとリースバックは、どちらも所有している自宅を活用して老後の生活資金を得るという点は同じです。しかし、その仕組みには大きな違いがあります。

リバースモーゲージとリースバックの根本的な違いは、リバースモーゲージは「物件を担保にした借り入れ」であるのに対し、リースバックは「物件の売却」である点です。リースバックの場合、物件を売却してしまうので、その後の立場は賃借人となります。

リバースモーゲージとリースバックの比較表

リバースモーゲージリースバック
所有権保有無くなる
仕組み家を担保に融資を受ける不動産を売却して、その後は賃借人として家に住む
年齢制限あり(高齢者向け)なし
生活資金借入金として受け取る売却金から得られる
資金の使い道制限あり制限なし
金利負担ありなし
自宅に住み続けられるか住み続けられる住み続けられる
物件の価値変動リスクありなし(再売買したい場合にはあり)
長生きリスク利息の支払いが増える、借入額の上限になる家賃の支払いが続く
固定資産税の支払い負担あり負担なし

あなたに合った選択は?リバースモーゲージとリースバック

リバースモーゲージとリースバック、どちらが合っているかは、必要な生活資金の金額、自宅に対する感情、リスク許容度などを確認することで見極めることができます。

具体的には、金利の上昇リスクを避けながら、まとまった資金を得たいという場合にはリースバックが適していると言えます。一方、自宅を手放したくない場合にはリバースモーゲージが適しています。

安心の老後生活にはリースバックがおすすめ

最後に、自分自身のライフプランに合った選択をすることが何よりも重要です。銀行からリバースモーゲージを紹介されたとしても、実際はリースバックの方が合っている方は多いです。

リバースモーゲージもリースバックも、それぞれの特性を理解し、自分の状況に合わせて活用すれば、安心して老後を過ごすことができるでしょう。専門家の意見も参考にしつつ、慎重に考え、最善の選択を行いましょう。

当社「イエする」はリースバック専門店で、リバースモーゲージとリースバックどちらがいいか?というご相談を数多く受けてきました。詳しくお話しを伺うと、リースバックの方が適しているケースが多くあります。まずは、今後の理想の生活をお聞かせください。全国対応のリースバック専門店「イエする」が、適切なアドバイスを行います。

よくある質問

リバースモーゲージの残債は相続人に引き継がれますか?

リコース型は相続人に残債の請求が引き継がれますが、ノンリコース型は引き継がれません。自宅を売却して利益が残った場合は、どちらの場合も相続人に引き継がれます。

リバースモーゲージはいくら借りられますか?

担保にする不動産の評価額の50%〜70%です。

リバースモーゲージの審査項目は?

年齢、担保にする不動産の評価額、同居人・家族構成、借入金の総額金額、年収・所得、推定相続人の同意の有無、資金の使い道などです。

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