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リバースモーゲージと生活保護を利用する順番・他の選択肢

リバースモーゲージと生活保護を利用する順番と他の選択肢

リバースモーゲージと生活保護の両方を併用して利用することは、原則できません。生活保護はあくまで、生活に困窮した世帯を支援するための制度であり、一定以上の資産を持っている世帯は対象外となるためです。

持ち家を所有しているけれど、生活保護が必要なほど生活に困窮している場合は、下記の順番が考えられます。

  1. 持ち家を所有したまま住み続け、生活保護を受給する
  2. 国が提供しているリバースモーゲージ「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」で、持ち家に住み続けたまま生活資金を借りる
  3. 持ち家を売却して賃貸住宅に引越し、売却資金を生活資金にする
  4. リースバックで持ち家を売却し賃貸に切り替え、自宅に住み続けたまま売却資金を生活資金にする

国が提供しているリバースモーゲージである「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」は、生活保護の対象となる世帯が利用することができますが、併用して生活保護を受給することはできません。リバースモーゲージの借入金が上限になり送金が止まるタイミングで、生活保護を申請する必要があります。

この記事では、それぞれの選択肢について詳しく解説します。リバースモーゲージと生活保護、もしくはリースバックや不動産売却のどれを利用することが最適か、参考にしてください。

目次

リバースモーゲージとは?基礎知識

リバースモーゲージには、国が提供するものと民間の金融機関が提供するものがあります。リバースモーゲージの仕組みと合わせて確認しましょう。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージとは、一言で言うと「自宅を担保にしてお金を借りる」ことです。高齢者が自己所有の自宅不動産を「担保」にして金融機関からお金を借りて、借入人が亡くなった後や老人ホームなどに入居するなどしたときに、不動産を売却して元本の返済が行われます。

借りたお金の元本は、生前は返済する必要がありません。生前は、利息分のみを毎月支払います。

国が提供するリバースモーゲージの種類と特性

リバースモーゲージは、国や自治体から提供されるものと民間の金融機関から提供されるものがあります。生活保護世帯の方が使えるのは、国が提供するリバースモーゲージ「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」になります。

国は社会福祉制度として、高齢者向けに2種類のリバースモーゲージを提供しています。1つ目が「不動産担保型生活資金」と呼ばれる制度で、現金収入が少ない高齢者が対象です。2つ目が「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」と呼ばれる制度で、要保護世帯が対象です。このように、それぞれ利用できる条件が違います。

民間の金融機関が提供するリバースモーゲージは、生活保護世帯が金融機関の審査に通ることは難しいため、ほぼ利用できないと考えましょう。

生活保護制度とは?

ここでは生活保護の受給資格や、持ち家を持っている場合の受給条件について説明します。

生活保護制度
資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)

厚生労働省 生活保護制度

生活保護の受給資格

厚生労働省は、生活保護を受けるための要件を下記のように定めています。

生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。

厚生労働省 生活保護制度
資産の活用とは預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充ててください。
能力の活用とは働くことが可能な方は、その能力に応じて働いてください。
あらゆるものの活用とは年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用してください。
扶養義務者の扶養とは親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受けてください。
そのうえで、世帯の収入と厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、保護が適用されます。
厚生労働省 生活保護制度

選択肢①:持ち家を所有したまま住み続け、生活保護を受給する

生活保護を受給するには不動産は売却することが原則ですが、「被保護世帯が居住している持ち家」については、保有が認められる場合があります。住み慣れた自宅に住み続けながら生活できるので、こちらの条件に当てはまる場合は最適な選択と言えるでしょう。

持ち家があっても生活保護は受けられる

持ち家があっても、下記の条件すべてに当てはまる場合は生活保護を受けることができます。

  • 住宅ローンを完済している
  • 持ち家を売却することで住むところがなくなってしまう
  • 持ち家の売却価格より引越し費用の方が高い(持ち家の評価額が500万円以下が目安)

持っている資産を活用することが生活保護の要件になりますので、車などの資産や預貯金、生活に利用されていない不動産は、売却して生活費に充てなければなりません。

しかし、持ち家の評価額が500万円以上ある場合は、生活保護よりもリバースモーゲージを優先するように案内される可能性があります。次の選択肢を確認しましょう。

選択肢②:国が提供しているリバースモーゲージ「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」で持ち家に住み続けたまま生活資金を借りる

貸付対象に「借入申込者が単独で概ね500万円以上の資産価値の居住用不動産を所有していること」とあるように、持ち家の価値が500万円以上の場合は、リバースモーゲージの利用を案内されることがあります。

「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」とは?

国が運営する要保護世帯向けのリバースモーゲージを「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」といいます。生活保障の一環として導入され、要保護の高齢者世帯を対象としています。

持ち家があり生活保護の対象となる高齢者が、その居住用不動産を担保に生活費を借りることができます。住み慣れた自宅に住み続けることができ、借りたお金は生活資金にのみ使用できます。

「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」を使う条件

神奈川県の貸付対象や条件を見てみましょう。より詳しい内容は、市区町村の社会福祉協議会にお問い合わせください。

貸付対象・借入申込者が単独で概ね500万円以上の資産価値の居住用不動産を所有していること。(借入申込者の配偶者とともに連帯して資金の貸付けを受けようとする場合に限り、当該配偶者と共有している不動産も含みます。)
・借入申込者が所有している居住用不動産に賃借権等の利用権及び根抵当権等の担保権が設定されていないこと。
・借入申込者及び配偶者が原則として65歳以上であること。
・借入申込者の属する世帯が、本制度を利用しなければ生活保護の受給を要することとなる要保護世帯であると保護の実施機関(福祉事務所)が認めた世帯であること。
貸付限度額居住用不動産(土地及び建物)の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)
貸付期間借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
貸付月額生活扶助額の1.5倍以内(生活保護費に基づき算出します)
貸付利子年利3%または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い利率
償還期限借受人の死亡など貸付契約の終了後、措置期間が3ヶ月あり、償還期限となります。
償還期限を過ぎた場合は、償還完了までの間、延滞利子(年3.0%)が発生します。
償還の担保措置・居住用不動産(土地及び建物)に根抵当権を設定
・連帯保証人は不要

問い合わせ窓口は、全国の各市区町村の社会福祉協議会となります。

参考:社会福祉法人神奈川県社会福祉協議会 要保護世帯向け不動産担保型生活資金のご案内
参考:社会福祉法人全国社会福祉協議会(2023)都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)

「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」のデメリット

持ち家の所有権を持ったままお金を借りることで、下記のデメリットがあります。

  • 固定資産税などの税金の負担が続く
  • 利息分の支払いが毎月続く
  • 医療費などは自分で支払う必要がある

借りることができる上限は、持ち家の評価額の50%〜70%程度です。借入可能額の上限に達した場合は借入金の送金が停止されますので、停止されるタイミングで生活保護の申請をすることになるでしょう。

選択肢③:持ち家を売却して賃貸住宅に引越し、売却資金を生活資金にする

持ち家の価値が利用価値に比べて著しく高い場合は、生活保護やリバースモーゲージではなく、持ち家を売却してその資産を活用することを案内されます。

たとえば、1人世帯で5LDKの一戸建てを持ち家として住んでいる場合、持ち家を売却して活用することを優先するように求められるでしょう。持ち家の所在地や築年数にもよりますが、一戸建てを売却して得られる金額と、1人暮らし向けの賃貸住宅にかかる今後の費用を比較して、売却金額の方が高くなると考えられるためです。

さらに、不動産の価値が目安として2,000万円を超える場合も、持ち家を売却してその資産を活用することを案内されるでしょう。

自宅を売却することで、まとまった金額が得られるので、しばらくの生活費用は確保できます。しかしデメリットとして、住み慣れた自宅から引越しする必要があります。自宅に住み続けたい場合は、リースバックを利用すると良いでしょう。

選択肢④:リースバックで持ち家を売却し賃貸に切り替え、自宅に住み続けたまま売却資金を生活資金にする

持ち家の価値が高く生活保護の対象外となったけれど、住み慣れた自宅にそのまま住み続けたい場合は、リースバックが最適です。

リースバックとは?

リースバックとは、一言で言えば「売って借りる」方法です。所有している自宅を売却し、そのまま賃貸として住み続ける仕組みです。

自宅を売却することでまとまった金額が得られるのでしばらくの期間の生活費用を確保しながら、住み慣れた自宅に住み続けることができます。

そして、生活資金が無くなったタイミングで生活保護の申請をすることになるでしょう。その時に、自宅の賃料が生活保護で認められる範囲内の場合は、そのまま自宅に住み続けながら生活保護を受けることができます。しかし、世帯人数に対して自宅が広すぎる場合や賃料が高い場合は、別の賃貸住宅への引越しを案内される可能性があります。

生活保護とリバースモーゲージ、リースバックはどれを選ぶべき?

生活保護にあてはまる高齢者世帯は、生活保護とリバースモーゲージ、もしくはリースバックのどれを選ぶべきなのかご紹介します。

生活保護を選ぶべき人

持ち家の価値が500万円以下の人は、自宅に住み続けながら生活保護を受けることが良いでしょう。

リバースモーゲージを選ぶべき人

持ち家の価値が500万円以上で、自宅に住み続けたい方はリバースモーゲージの「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」が良いでしょう。そして、借入金の上限に達したタイミングで生活保護の申請を行います。

リースバックを選ぶべき人

リバースモーゲージの適用条件に合わないけれど、自宅に住み続けたい方、住宅ローンの残債が残っている場合もリースバックが良いでしょう。

そして、生活資金が無くなってきたタイミングで生活保護の申請を行います。ただし、自宅の賃料は生活保護で認められる範囲内しか支給されませんので、注意が必要です。

不動産売却を選ぶべき人

自宅とは別の賃貸住宅に引っ越しても良い場合は、一般的な不動産売却が良いでしょう。リースバックと同じで、生活資金が無くなってきたタイミングで生活保護の申請を行います。

生活資金に不安を感じている方は「イエする」へご相談ください

国が提供している「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」の条件にあてはまらなかったけれど自宅に住み続けたい場合は、リースバック専門店「イエする」にご相談ください。

リースバックは自宅を売却するため、自己資産ではなくなります。このことで、将来的に生活保護を受給する場合にも申請がスムーズになるでしょう。理想の暮らしを実現するために、最適な方法を一緒に探しましょう。「イエする」までお気軽にご相談ください

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