老後の生活を支える年金、実際にいくらもらえるのか知っていますか?年金で老後の生活を続けていけるのか、多くの人が不安に感じています。
自分が将来受け取れる年金受給額は、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」や、ねんきん定期便で確認することができます。この機会にぜひ確認してください。
この記事では、年金の種類と計算方法を簡単に解説し、平均的な受給額をお伝えします。年金の基本を知り、安心した老後を迎える準備をしましょう。
最新の公的年金の受給額
令和6年度の公的年金は、前年度から2.7%引き上げとなりました。
令和6年度の年金額の例
令和5年度(月額) | 令和6年度(月額) | |
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国民年金※1 (老齢基礎年金(満額):1人分) | 66,250円 | 68,000円(+1,750円) |
厚生年金※2 (夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 224,482円 | 230,483円(+6,001円) |
※1 昭和 31 年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 67,808 円(対前年度比+1,758 円)です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
出典:厚生労働省(令和6年1月19日)令和6年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~
国民年金の受給額(満額の場合)
国民年金の保険料を40年間(480か月間)すべて納めると、以下の満額の国民年金を受け取ることができます。
しかし、免除制度を利用するなどして支払っていない期間がある人は、その分を減額されて支給されます。特に、大学生の時に「学生納付特例制度」を利用していた人は多いでしょう。
年金の受給額は、物価や賃金の変動に応じて毎年度改定を行う仕組みとなっています。そのため、近年の物価高に伴い年金受給額も増加しています。反対に、物価が下がった場合は年金額も下がります。
年度 | 国民年金(老齢基礎年金:満額) |
---|---|
令和4年度 | 64,816円(月額) |
令和5年度 | 66,250円(月額) |
令和6年度 | 68,000円(月額) |
参考:日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生年金の計算方法(年収額で変わる)
厚生年金の受給額は、勤務年数と給与・賞与によって変動します。年収が高いほど支払う保険料も多くなり、その結果、老後の受給額も増加します。たとえば、年収300万円の場合と年収600万円の場合では、受け取れる厚生年金額には約2倍の差が生じます。
厚生年金と国民健康保険の両方の保険料を40年間(480か月間)すべて納めた場合の、年金の受給目安額をみてみましょう。
平均給与年収 | 国民年金(満額)+厚生年金(満額) |
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年収300万円 | 121,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約6万円) |
年収400万円 | 140,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約8万円) |
年収500万円 | 158,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約10万円) |
年収600万円 | 176,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約12万円) |
年収700万円 | 195,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約14万円) |
年収800万円 | 213,000円(月額) (国民年金約6万円+厚生年金約15万円) |
年金の仕組みは3階建て構造
年金の受給額は、受け取る年金の種類によって異なります。日本の年金制度は、「3階建て」の構造を持っています。それぞれの階層が異なる年金種類を表しており、1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金が公的年金です。
公的年金は、40年間(480か月間)の保険料をすべて納めると、満額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
3階 | 私的年金 | 企業年金、iDeCoなど個人年金 |
---|---|---|
2階 | 公的年金 | 厚生年金(会社員や公務員) |
1階 | 国民年金(個人事業主やフリーランスなど国民全員) |
あなたが受け取れる年金はどれ?
自分の将来の受給額を知るためには、どの年金に加入しているのかを確認しましょう。
国民年金
国民年金は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金です。老齢基礎年金とも呼ばれ、一律の保険料を払い、基本的な老後資金として受け取ります。平均的な受給額は月額5万円から6万円程度ですが、国民年金保険料の給付期間によって変わります。
参考:日本年金機構 国民年金
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金です。給与に応じた保険料を、給与天引きで納めます。国民年金にプラスした金額を受給することができ、給与額と保険料を支払った期間によって受給額が変わります。
国民年金と合算した平均的な受給額は月額14万円から15万円程度とされていますが、加入期間が長く、給与や賞与が高い人ほど受給額が多くなります。
私的年金(企業年金、個人年金)
私的年金は、会社や個人が自主的に加入する年金です。企業年金は勤め先が用意する制度、個人年金は個人が加入する保険などです。私的年金は、公的年金に上乗せして受け取ることができるので、年金の受給額を増やすことができます。
公務員や大企業の社員は、一般の企業に勤める人よりも年金制度が手厚いことがあります。「国民年金」「厚生年金」「企業年金」の3つを全て受け取れるケースがあり、高い年金受給額を期待できると言えます。
しかし、自営業者やフリーランスの場合は企業年金はありません。私的年金に任意加入していない場合、受給できるのは国民年金のみです。このように、将来の年金受給額を考える際には、働き方の違いによっても加入している年金制度が違う点を覚えておきましょう。
公的年金の受給資格
公的年金を受給するためには、10年間(120か月間)の保険料を収めることが必要です。受給資格を満たさない場合は、公的年金を受け取ることはできません。
公的年金の受給資格は、「保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上あること」となっています。つまり、学生納付特例制度などで免除していた期間は期間に含まれるけれど、実際は年金を支払っていないので年金受給額は減ることになります。
階数 | 区分 | 種類 | 受給資格 |
---|---|---|---|
3階 | 私的年金 | 企業年金、iDeCoなど個人年金 | 各私的年金により異なる |
2階 | 公的年金 | 厚生年金 | 保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上あること |
1階 | 国民年金 |
参考:日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
参考:日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
参考:厚生労働省 年金を受けとるために必要な期間が10年になりました
基本受給、繰り上げ受給、繰り下げ受給とは?
65歳から年金を受け取ることを「基本受給」といいます。65歳は平均的な退職年齢と考えられているためです。
60歳から65歳までの間に年金を受け取ると「繰上げ受給」となり、ひと月当たり0.4%ずつ減額された年金を受給することになります。受給期間が長くなるため、月額の支給額が減ります。
反対に、66歳から75歳までの間に年金を受け取ると「繰下げ受給」となり、ひと月当たり0.7%以上ずつ増額された年金を受給することができます。受給期間が短くなるため、月額の支給額が増えます。
年金の受給時期 | ひと月当たり |
---|---|
繰り上げ受給 (60歳から65歳までの間に受給) | 0.4%減額 |
基本受給 (65歳から受給) | 減額・増額なし |
繰り下げ受給 (66歳から75歳までの間に受給) | 0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数増額 |
日本年金機構のホームページに早見表が公開されていますので参考にしてください。
参考:日本年金機構 年金の繰上げ受給
参考:日本年金機構 年金の繰下げ受給
公的年金の受給額を増やす方法
公的年金の受給額を増やすには、40年間(480か月間)の保険料をすべて納めることが重要です。今からでも年金受給額を増やす方法があるか確認しましょう。
1. 国民年金保険料を追納する
国民年金の保険料は、過去10年間に免除または納付猶予、学生納付特例を受けた期間について、追納が可能です。追納可能な期間が残っていれば、支払っておくと良いでしょう。
2. 60歳以降も国民年金に加入する
20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が40年(480月)未満の人は、60歳以降も国民年金に任意加入することができます。
3. 国民年金の付加保険料を納付する
国民年金第1号被保険者や任意加入している人は、月額400円の付加保険料を上乗せして納付することで、年金額を増やすことができます。
4. 繰り下げ受給を利用する
年金の受給を繰り下げることで、受給額を増加させることができます。繰り下げる期間が長いほど、受給額の増加幅も大きくなります。
5. 国民年金基金に加入する
自営業やフリーランスの場合は国民年金基金に加入することで、国民年金とは別に受け取れる年金が増えます。
6. 働いて70歳まで厚生年金に加入する
厚生年金保険は70歳まで加入することができます。年金の受給を初めても厚生年金は支払うことができ、受け取る年金額を増やせます。
年金だけで大丈夫?必要な老後資金と資産運用
多くの人が老後に向けて不安に思っていることは、「年金だけで生活できるか」ということです。年金と生活費のバランスをどのように取るべきか、また、年金以外の老後資金の作り方についてみてみましょう。
年金と生活費のバランス、老後資金はどれくらい必要?
老後の生活費は、現役時代と大きく変わることがあります。自由な時間が増えることで、趣味やレジャーに費用を多くかけるようになったり、医療費や介護費用が必要になってきます。
一般的に、老後に必要な資金は月額約20万円〜30万円と言われていますが、これはあくまで目安です。年金受給額と比較し、足りない資金をどのように補うのかを検討しておきましょう。
年金以外の老後資金の作り方「持ち家を活用する」
年金以外に老後の資金を確保する方法の一つが、持ち家を活用することです。自宅を上手く活用することで、老後の資金を増やすことができます。
イエするのリースバックで自宅を現金化する
リースバックとは、自宅をリースバック専門会社に売却し、その後賃貸として住み続ける方法です。この方法では、自宅を現金化しつつ、住み慣れた自宅に住み続けることができます。リースバック専門店の「イエする」は、最短5日で現金化することができます。
リバースモーゲージで自宅を担保にお金を借りる
リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関からお金を借りる方法です。借入金は、借主の死亡後に不動産の売却で返済されます。
まとめ:年金支給額は働き方や収入、働いている企業によっても変わる
年金は私たちの老後の生活を支える、大切な収入源です。年金支給額は、働き方や収入、さらには働いてる企業によっても変わります。
まずは自分が加入している年金制度を把握すること、そして足りないと感じる場合は、公的年金だけに頼るのではなく、自分自身で任意の積み立てを行うなど老後資金の確保を考えることが大切です。
年金だけでは老後の資金が不足する場合は、持ち家をリースバックすることでまとまった資金を得ることができます。リースバック専門店「イエする」までお気軽にご相談ください。