リバースモーゲージとは、一言で言うと「自宅を担保にしてお金を借りる」ことです。自宅を担保に資金を借り入れ、債務者が亡くなったときに担保にした自宅を売却して借入金を返済する金融商品です。
老後の生活資金を得ることができる便利なサービスに思えますが、デメリットと3大リスクをしっかりと理解しておく必要があります。
今回は、リバースモーゲージの利用を検討している方のために、リバースモーゲージのデメリットとリスクを詳しく解説します。さらに、リバースモーゲージのデメリットを補うことができるリースバックも紹介します。後悔しない老後生活を過ごすための参考にしてください。

リバースモーゲージのデメリットと注意点
リバースモーゲージのデメリットをみてみましょう。多くの人が不満や不便を感じる点は、融資の条件が厳しく、制限が多いことです。
- 利用できる条件が厳しい
- 原則65歳以上、同居は配偶者のみ
- 対象となる物件は一定価値以上の一戸建て
- 首都圏、関西圏、主要都市にある不動産のみ
- 所得に制限があり、他の借入金総額も審査対象
- お金の使い道が限定される
- 推定相続人の同意が必要
- 借りられる金額が不動産の価値の5割程度
- 亡くなった後に配偶者が自宅に住めない可能性
- リコース型は負債を相続人が引き継ぐ
1. 利用できる条件が厳しい
リバースモーゲージは、特定の条件を満たすことで初めて利用できます。つまり、すべての人が利用できるわけではありません。65歳以上であること、自宅が自己名義であることなどの条件が設けられています。リバースモーゲージは金融機関からの「融資」なので、物件評価だけではなく借り入れる人の審査があり、所得が一定以下の場合には利用できない可能性があります。
たとえば、住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、年収に占める全ての借入れに関する年間返済額(および年間支払額の合計額)の割合に制限があり、車のローンなど他に借入金がある場合は利用できないことがあります。

2. 原則65歳以上、同居は配偶者のみ
リバースモーゲージは、誰でも自由に申し込めるわけではありません。対象年齢は原則65歳以上(金融機関によっては50歳以上)~80歳までの人しか利用できません。同居家族は原則配偶者です。65歳以上の単身者または夫婦2人暮らしが対象になります。将来を含め、子どもの同居は基本的に認められていません。子どもとの同居を考えている場合は、利用できない可能性が高いといえるでしょう。反対に、借入人夫婦のどちらかの親が同居している場合は認められることが一般的です。
3. 対象となる物件は一定価値以上の一戸建て
金融商品であるリバースモーゲージは、対象物件にも制限があります。
条件1. 土地付き戸建て住宅であること
対象物件になるのは原則、一定評価額以上の戸建て住宅です。このような制限を設けている理由は、土地で担保価値を評価しているからです。時間の経過とともに資産価値が減少していく建物は、基本的に評価対象にはなりません。最近はマンションでもリバースモーゲージを利用できる金融機関がありますが、立地がよかったり、築年数、広さ、総戸数も審査対象になり、物件の評価額が高いマンションに限られることが多く、戸建てよりも条件が厳しくなる傾向があります。
さらに、住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、新耐震基準(昭和56年6月1日以後の建築基準法に定める耐震基準)相当の耐震性を有することが必要です。
条件2. 不動産の評価額が一定額以上あること
不動産の評価額が、一定額以上あることが必要です。たとえば、自治体が運営している「不動産担保型生活資金」の場合は、土地の評価額が概ね1,500万円以上の一戸建て住宅であることが条件となります。

4. 対象エリアが限定される場合がある
リバースモーゲージは、全国どこの物件でも利用できるわけではありません。担保となる物件の所在地が大都市圏(首都圏、関西圏など)に限定されている金融機関が多い傾向にあります。ただし、近年は地方の主要都市(県庁所在地など)でも取り扱う金融機関が増えています。地方の郊外や過疎地域は対象外となる場合が多いため、ご自身の物件が対象エリアに含まれるか、事前に確認しましょう。
リバースモーゲージで担保物件のエリアを限定している理由は、借入人が亡くなったときに不動産を売却するため、購入需要が多いエリアに限られていることが背景にあります。
5. 所得や他の借入金総額に制限がある
所得が一定以下の場合には利用できない可能性があります。あくまで金融機関による融資なので、年間の所得がいくらあるのか、他の借入金総額などの審査が行われます。
6. お金の使い道が限定される
リバースモーゲージはお金を借りる仕組みですが、借りたお金は何に使っても良いわけではありません。多くの場合、生活費などの一部の目的に限定されます。たとえば事業資金に使いたいと思っても、許されません。
自治体が運営するリバースモーゲージ「不動産担保型生活資金」は、生活資金のみに制限されています。住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、住宅関連のみに制限されています。民間の金融機関が提供しているリバースモーゲージも、老後の生活資金確保を主な目的としています。資金用途を原則自由としているものもありますが、事業資金や投資資金としては活用できないことがほとんどです。
7. 推定相続人の同意が必要
リバースモーゲージは、借入人本人が亡くなったときに、担保にしていた家を売却して返済するため、家を相続人に残すことができません。そのため、利用にあたって子どもをはじめとする推定相続人の同意を求められます。この同意を得られない場合も、リバースモーゲージの利用はできません。
8. 借りられる金額が不動産評価額の5割〜7割程度
借入額が思っていたよりも少なくなることもあります。リバースモーゲージで借り入れることができる金額は、不動産の評価額の50%〜70%程度が一般的です。自宅の評価額が低い場合は、必要な資金を調達することが難しいかもしれません。
不動産には価格変動リスクがあるため、どうしても保守的な金額にならざるを得ないのです。
【具体例】
- 評価額3,000万円の物件:1,500万〜2,100万円程度
- 評価額5,000万円の物件:2,500万〜3,500万円程度
※実際の融資額は、金融機関の審査や物件の条件により異なります。
不動産の評価額とは、「固定資産税評価額」のことで、毎年6月ごろに送られてくる固定資産税の納付書で確認することができます。
9. 配偶者の継続居住は契約内容による
借入人が亡くなった後も、多くのリバースモーゲージでは配偶者が自宅に住み続けることが可能です。ただし、以下の条件を満たす必要があります:
配偶者が継続居住するための主な条件
- 配偶者が連帯債務者として契約に加わる
- 配偶者も年齢条件を満たす(一般的に60歳以上)
- 契約者死亡時に債務を引き継ぐ手続きを行う
注意点
- 配偶者が連帯債務者にならない場合、継続居住できないケースがあります
- 金融機関や商品によって条件が異なるため、契約前に必ず確認しましょう
- 配偶者が審査基準を満たさない場合、債務引受ができない可能性があります
借入人が亡くなった後の対応について、リバースモーゲージを利用する前に金融機関に詳しく確認することが重要です。
10. リコース型とノンリコース型の違いに注意
リバースモーゲージには、契約者が亡くなった後の返済方法により2つのタイプがあります。
リコース型
- 自宅を売却しても借入金の返済に不足が生じた場合、相続人が残りの負債を返済する必要があります
- 不動産の価値が下落していると、売却額では足りなくなる場合があります
- ノンリコース型に比べて金利が低めに設定される傾向があります
ノンリコース型
- 自宅を売却しても借入金の返済に不足が生じた場合でも、相続人に不足分の請求はされません
- 担保不動産の売却代金のみで返済が完了します
- リコース型に比べて金利が高めに設定される傾向があります
どちらを選ぶべきか
- 相続人に負担をかけたくない場合:ノンリコース型
- 金利負担を抑えたい場合:リコース型
契約時にどちらのタイプか必ず確認し、将来の相続人とも相談してから決めましょう。
リバースモーゲージの3大リスク
リバースモーゲージにはそれぞれのデメリットに加えて、「金利上昇リスク」、「不動産価格下落リスク」、「長生きリスク」という3つの大きなリスクが存在します。
特にご注意いただきたいのは、自宅で生活ができるくらい元気に長生きしたことで、望まない結果をまねくことがある点です。リスクをよく理解してから利用の検討をしてください。
1. 「金利上昇リスク」融資が少なくなり返済が増える
一般的にリバースモーゲージの金利は変動金利です。そのため、金利が上昇した場合は返済金額が増えたり、借りられる金額が減ってしまいます。
毎月利息分を返済していく「一括融資型」契約の場合は、借入人が生きている間は利息を返済し続ける必要があるので、金利が上がることで想定していたよりも毎月の返済額が多くなってしまうリスクがあります。少しの上昇でも、期間が長くなると返済金額は膨らんでいくことになります。
毎月の返済で、決まった金額を定期的に受け取る「年金型」契約の場合は、利息分が借入残高に加算されるので、金利が上昇すると借りられる金額が少なくなります。最悪の場合は、金利の上昇のせいで借入残高が借入上限額を上回り、上回った分の返済を請求されることになります。
リバースモーゲージの金利は金融機関や商品により異なりますが、一般的には年3%〜4%台で設定されています。以下は主要金融機関の例です:
■ みずほ銀行「リ・バース60」
- 変動金利:年2.875%
- 固定金利(10年):年4.15%
- 固定金利(20年):年4.95%
■ 楽天銀行リバースモーゲージ
- 2026年1月実行分:年3.35%
- 2026年2月実行分:年3.60%
※金利は市場動向により変動します。最新情報は各金融機関にご確認ください。
※2026年に入り、短期プライムレートの引き上げに伴い、多くの金融機関で金利が上昇しています。
2. 「不動産価格下落リスク」評価額が下がり融資額が減る
リバースモーゲージの融資限度額は、自宅不動産の担保評価額に応じて決まります。不動産の評価額は変動するので、担保評価額は固定ではありません。そのため一定期間ごとに見直されます。見直しで担保評価額が下落すると、融資限度額を下げられることや融資を止められることがあります。
さらに、借入金が融資限度額を上回ると、差額分を返済しなければなりません。もし差額分の返済ができない場合は、自宅を売却して返済することになり、自宅を手放さなければならないことになります。
また、債務者が亡くなると自宅を売却して借入金を返済しますが、資産価値の下落により借入金を返済しきれない場合は、「リコース型」の契約では相続人が不足分を返済することになります。担保評価額や資産価値が下落する恐れがある点は、リバースモーゲージの大きなリスクです。相続人に不足分を請求されないようにしたい場合は、「ノンリコース型」で契約する必要がありますが、リコース型よりも金利が高い傾向があります。
しかし、反対に評価額が上がると融資額増えることになります。たとえば借入時よりも不動産の評価が大きく上がった場合、数年後には「もっと多くのお金を借りられる状態」になる可能性があります。
3. 「長生きリスク」長生きすると家を失い借金が残る
本来であれば喜ばしいことですが、リバースモーゲージを利用すると長生きもリスクのひとつになってしまいます。長生きがリスクになる理由として以下の2点が挙げられます。
- 借入残高が融資限度額を超える
- 商品によっては契約期間が終了する
長生きした結果、借入残高が融資限度額を超えると、融資が途切れてしまいます。さらに、超過分の返済を求められます。手元に資金がない場合、自宅を売却して返済しなければなりません。
また、リバースモーゲージの中には、契約期間を設けているものがあります。長生きした結果、契約期間が終了すると、融資が途切れるだけでなく、借入金の一括返済を求められます。この場合も、手元に資金がないと、自宅を売却して一括返済しなければなりません。自宅を売却しても一括返済できない場合は、差額分が借金として残ります。想定より長生きすると、生活が立ち行かなくなる恐れがあるのです。
リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージにはメリットも存在します。それぞれについてみていきましょう。
1. 自宅を担保に融資を受けられる
リバースモーゲージのメリットとして、自宅を担保に融資を受けられる点があります。所得が高くなくても現役世代ではなくなっても、家さえ所有していれば担保にして資金調達ができます。老後の生活費が足りていない場合などには大きな助けとなるでしょう。
2. 毎月の返済額は利息分のみとなり低くなる
リバースモーゲージは借金なので、借入金は返済しなければなりません。しかし、生存中の返済は利息のみとなり、低額になるのが一般的です。通常の借り入れのように元本ごと返済しなくて良いので、負担が軽くなります。
3. 住み慣れた自宅に住んだまま資金調達ができる
リバースモーゲージは、自宅を売却せずに住み続けることができるという点が、大きなメリットになります。今までの暮らしを変えずに、寿命までの期間、あるいは老人ホームなどに入るまでの期間、ずっと自宅に住み続けることができます。
4. 極度額までであれば何度でも借りられる
リバースモーゲージを利用する場合には、極度額を設定するのが一般的です。極度額とは、借り入れができる最高額のことです。リバースモーゲージを利用する場合、極度額以内であれば何度でも借り入れができるケースが多数です。資金に困ったときに繰り返し借り入れができる可能性があるのもメリットの1つといえるでしょう。
リバースモーゲージが合っている人
リバースモーゲージが合っているのは、以下のような人です。高齢で手元に資金がない方、家を相続したい相続人がいなくて将来は空き家になりそうなケースなどに向いていると考えられます。
- 老後資金に不安がある人
- 自宅のリフォーム資金を借りたい人
- 相続人がおらず自宅を残す必要がない人
- 担保価値の高い一戸建てに住んでいる人
- 家の所有権を失いたくない人
- 将来的に老人ホームで暮らすことを考えている人
リバースモーゲージを申し込む前に確認するべきポイント
リバースモーゲージを安全に利用するために、契約する前に以下のポイントをしっかりと把握しておきましょう。
契約内容を確認して理解しよう
まず、契約内容を正しく理解することが重要です。リバースモーゲージは一般的な住宅ローンとは異なり、担保不動産に関する制約や条件があるため、その詳細を理解していないと後でトラブルになる可能性があります。利息の計算方法や返済の仕組み、解約条件など、詳細な契約内容を確認しましょう。
相続人との話し合い
リバースモーゲージは担保にした自宅を売却して借入金を返済するため、家を相続させることはできません。相続人がいる場合は、契約前にその内容を説明し、相続人からの同意を得ることが大切です。また、相続人の中に自宅を引き継ぎたいと考えてリバースモーゲージに同意しない人がいる場合、利用することはできません。
借入金額と使い道の計画
リバースモーゲージで得られる資金の使い道と、いくらまで借りるのかの計画も大切なポイントです。日々の生活費や医療費、介護費用など、具体的に何に使用するのかを明確にし、利息の支払いを続けていけるか計画を立てましょう。
リースバックならリバースモーゲージのリスクやデメリットをカバーできる
リバースモーゲージには、以上のリスクとデメリットがあります。不確定な要素や制限が多いため、やや使いづらい仕組みといえるかもしれません。リバースモーゲージのリスクやデメリットは、リースバックで補えます。リースバックとは、どのような仕組みなのでしょうか。
リースバックの概要と特徴
リースバックは、リースバック会社などに自宅を売却して資金を確保してから、新しいオーナーと賃貸借契約を結び賃貸住宅として自宅に住み続けられる仕組みです。リバースモーゲージとは、自宅を担保にせず売却する点、売却した自宅に賃貸住宅として住み続けられる点が異なります。
リースバックをおすすめできる理由
リースバックはリバースモーゲージよりも利用しやすい仕組みといえます。以下の特徴があるからです。
制限が少ない
リースバックとリバースモーゲージを比較すると、リースバックの方が制限は圧倒的に少ないといえます。基本的に、リースバックは利用者の年齢制限を設けていません。同居家族に関する制限もありません。例えば、子どもと同居していても利用可能です。また、利用にあたり、推定相続人の同意も必要としません。
物件に関する制限はどうなのでしょうか。リバースモーゲージは対象物件を原則一戸建てに制限しているのに対し、リースバックは対象物件に関する制限を設けていません。したがって、マンションであっても利用可能です。さらに、対象エリアもリバースモーゲージより広くなっています。例えば、当社イエするは、全国津々浦々の物件に対応しています。
用途制限のない資金を一括で受け取れる
リースバックは、資金の用途制限も設けていません。自宅の売却で得た資金を、老後の生活資金に使うことや事業資金に使うことなどができます。売却資金を一括で受け取れる点も魅力です。自宅の現金化にかかる期間は、申込から2週間程度が一般的といわれています。当社イエするの場合は、最短5日間で現金化できます。
自宅の維持費が不要になる
以上のほかでは、自宅の維持費が不要になる点もリバースモーゲージと異なります。リースバック利用後は、固定資産税や都市計画税、修繕積立金、管理費などがかかりません。売主に代わり、新しいオーナーがこれらを負担することになるからです。リースバックを利用すれば、家計は安定しやすくなります。
以上の特徴があるため、リバースモーゲージのリスクやデメリットが気になる方には、リースバックがおすすめです。興味のある方は、検討を進めてみてはいかがでしょうか。
リバースモーゲージのリスクやデメリットに不安を感じている方はイエするに!
リバースモーゲージには、金利上昇のリスク、担保評価額下落のリスク、長生きのリスクがあります。また、制限が多いなどのデメリットも存在します。リースバックは、リバースモーゲージのリスクとデメリットを補える仕組みです。自宅を売却するため、金利上昇のリスクなどを気にする必要はありません。また、利用に関する制限もごくわずかです。
リースバックが気になる方は、リースバック専門店「イエする」にご相談ください。経験豊富なスタッフが、リバースモーゲージとリースバックの違いをわかりやすく説明いたします。
そのうえで、お客様のご事情をおうかがいし、最適なプランを提案させていただきます。全国津々浦々の物件に対応しているため、エリアに関する制限は基本的にありません。老後資金などを確保したい方は、お気軽にご相談ください。

【2026年1月更新】
※本記事の内容は2026年1月時点の情報に基づいています。金利や条件は変更される可能性がありますので、最新情報は各金融機関にご確認ください。
【参考文献】
■ 公的機関・研究機関
・住宅金融支援機構:「リ・バース60」
・大和ライフネクスト総合研究所:「リバースモーゲージの現状と展望」
■ 金融機関(商品情報)
・みずほ銀行:「リ・バース60」
・楽天銀行:「リバースモーゲージ」
・SBI新生銀行:「リバースモーゲージ型住宅ローン」
■ 解説記事
・みずほ銀行:リバースモーゲージが「罠」「やばい」と言われる理由と検討ポイント
・東京スター銀行:60歳からでも住宅ローンは組める?審査基準と通過するコツを解説

